2012年01月04日
これからの小梅は
新しい年が始まりました。
年の最初なので、これからの小梅について、申し上げたいと思います。
「はじめてきもの小梅」という店は、着物を着るということや、染織の技術や、着物にまつわるいろいろな物事を、自分が受け継いだ程度に次世代に送りたい、という思いで立ち上げたお店です。次世代に継ぐためには、今、着る人を増やさなければ、着物や着物にまつわる物事は、いずれなくなってしまう。すっかりなくなってしまった後で、次世代の人たちに「どうしてあんなに美しいものを、みすみす失わせたのか?」と言われたくないがために、自分にできることをしなければ、と思ったからです。
ところが、福島第一原発の事故によって、日本中に放射性物質が降り注ぎ、今もなお、福島を中心とした東日本の各所に、安心して暮らせない場所があり、海の恵みにも、山の恵みにもセシウムなどの放射性物質が忍び込み、それらを食べることで内部被ばくをし、健康な生活を脅かされるような事態になってしまいました。
テレビや新聞で言われているような甘いことではなく、本当にこの国に何が起きているのか自分で情報を求めて知った人は、ここに住んでいていいのだろうかと葛藤する人も少なくないと思います。
この国は今、衣食住という生活の基本のうち、食と、住を脅かされています。
このままでは日本という国やこの国の未来そのものを、次世代に継ぐことができるかどうかわからないような事態に直面しています。それなのに着物などという、放っておけば自然になくなってしまうようなものを次世代に継いでいこうとすることなど、何の意味があるのでしょうか?そんなことをしている場合なのでしょうか?私は立ちすくんでいます。
確かに、こんなことになるまでは、そういう努力をすることに、何がしかの意義を感じていたのです。でもそれは、世の中が平和だったから。自分ではどうすることもできないほどの、未来や、命を脅かされるような事態に陥っていなかったから。
だから、今後の小梅は、この国と、この国の未来そのものを次世代に継ぐための活動も同時に行っていくつもりです。そうでなければ、着物を残していくという仕事をする意味が、まるでなくなってしまうのです。
着物のために小梅ができることと同様、この国の未来のために私ができることなど、ずっとずっと小さなことでしかないことは、わかっています。それでも何もしないわけにはいかない。こういう事態になった時に、この国に大人として存在しているのです。私たちが、できるだけのことをするしかない。
賛成、反対、無視、無関心等、いろいろあるのは分かっています。私がこういう立場をとることが、小梅というショップのために必ずしもプラスではないことも。
3月23日~25日の3日間、目白のFree Wingsというギャラリーで小梅展(仮)を行います。昨夏はハイシーズン前に完売してしまった手紬手織草木染兵児帯の新作や、サイズオーダーできる木綿など春夏きもの等、次シーズンの新作をたくさん持っていくつもりですので、ぜひご来店ください。そうそう、素敵なスペシャルゲストもお呼びしています。日本刺繍作家の桜井彩さんが来て実演してくださるので、自分だけのとっておきの柄をオーダーしたりなんかできちゃうかも!詳しくはまた折々に。
そしてこの展示会の売り上げの一部は、福島の子供たちのためのチャリティーとさせていただきます。
それでは、長くなってしまいましたが、そんな小梅ですが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

にほんブログ村 着物・和装←もしよろしければポチっとお願いします!
年の最初なので、これからの小梅について、申し上げたいと思います。
「はじめてきもの小梅」という店は、着物を着るということや、染織の技術や、着物にまつわるいろいろな物事を、自分が受け継いだ程度に次世代に送りたい、という思いで立ち上げたお店です。次世代に継ぐためには、今、着る人を増やさなければ、着物や着物にまつわる物事は、いずれなくなってしまう。すっかりなくなってしまった後で、次世代の人たちに「どうしてあんなに美しいものを、みすみす失わせたのか?」と言われたくないがために、自分にできることをしなければ、と思ったからです。
ところが、福島第一原発の事故によって、日本中に放射性物質が降り注ぎ、今もなお、福島を中心とした東日本の各所に、安心して暮らせない場所があり、海の恵みにも、山の恵みにもセシウムなどの放射性物質が忍び込み、それらを食べることで内部被ばくをし、健康な生活を脅かされるような事態になってしまいました。
テレビや新聞で言われているような甘いことではなく、本当にこの国に何が起きているのか自分で情報を求めて知った人は、ここに住んでいていいのだろうかと葛藤する人も少なくないと思います。
この国は今、衣食住という生活の基本のうち、食と、住を脅かされています。
このままでは日本という国やこの国の未来そのものを、次世代に継ぐことができるかどうかわからないような事態に直面しています。それなのに着物などという、放っておけば自然になくなってしまうようなものを次世代に継いでいこうとすることなど、何の意味があるのでしょうか?そんなことをしている場合なのでしょうか?私は立ちすくんでいます。
確かに、こんなことになるまでは、そういう努力をすることに、何がしかの意義を感じていたのです。でもそれは、世の中が平和だったから。自分ではどうすることもできないほどの、未来や、命を脅かされるような事態に陥っていなかったから。
だから、今後の小梅は、この国と、この国の未来そのものを次世代に継ぐための活動も同時に行っていくつもりです。そうでなければ、着物を残していくという仕事をする意味が、まるでなくなってしまうのです。
着物のために小梅ができることと同様、この国の未来のために私ができることなど、ずっとずっと小さなことでしかないことは、わかっています。それでも何もしないわけにはいかない。こういう事態になった時に、この国に大人として存在しているのです。私たちが、できるだけのことをするしかない。
賛成、反対、無視、無関心等、いろいろあるのは分かっています。私がこういう立場をとることが、小梅というショップのために必ずしもプラスではないことも。
3月23日~25日の3日間、目白のFree Wingsというギャラリーで小梅展(仮)を行います。昨夏はハイシーズン前に完売してしまった手紬手織草木染兵児帯の新作や、サイズオーダーできる木綿など春夏きもの等、次シーズンの新作をたくさん持っていくつもりですので、ぜひご来店ください。そうそう、素敵なスペシャルゲストもお呼びしています。日本刺繍作家の桜井彩さんが来て実演してくださるので、自分だけのとっておきの柄をオーダーしたりなんかできちゃうかも!詳しくはまた折々に。
そしてこの展示会の売り上げの一部は、福島の子供たちのためのチャリティーとさせていただきます。
それでは、長くなってしまいましたが、そんな小梅ですが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

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15周年ありがとうございます
Love&Kimono vol.12ご報告と、来年からのラブきも
エステと着物のコラボイベント。美へのこだわりにひれ伏す1日
Love&Kimonoご報告と、3月ですが新年の抱負
シルックについていろいろ考えてみた
ありがとうございました!LOVE&KIMONOご報告
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ありがとうございました!LOVE&KIMONOご報告
Posted by 小梅店主 at 01:28│Comments(6)
│つぶやき
この記事へのコメント
拝見させていただきましま
Posted by ティンバーランド at 2012年01月04日 03:14
ティンバーランド さん
お読みいただきありがとうございました。
お読みいただきありがとうございました。
Posted by 小梅店主 at 2012年01月04日 11:33
新年早々良い記事ありがとう〜。
小梅さんの心意気、しかと受け止めました。結局できることをやるしかないんだよね。
展示会も東京でやるんだね!
おいらも見に行きたいな〜♪
て、別珍絡みのどれかが欲しいな〜と眺めてるとこなので、また近々ぜひ(^o^)/
小梅さんの心意気、しかと受け止めました。結局できることをやるしかないんだよね。
展示会も東京でやるんだね!
おいらも見に行きたいな〜♪
て、別珍絡みのどれかが欲しいな〜と眺めてるとこなので、また近々ぜひ(^o^)/
Posted by sansyo at 2012年01月04日 12:00
sansyoさん
コメントありがとうございます。
着物を残すことの意味なんて、もともとなくてもいいんでしょうけれども。
私自身が、そういう目的をもって始めてしまったので「次の世代」の存在そのものが脅かされている今、何にもなかったかのように「着物着ましょう、いいもの残しましょう」と言うことがあまりにも空しいことのように思えるのです。
しかし大そうなことを言いつつ、することはこれまでとなんら変わりはないのだろうと思います。
はい、初の単独展示会です。遠方かもしれませんが、目白は歩くといろいろ楽しい街でもあるので、よかったらぜひ!
今年もよろしくお願いします。
コメントありがとうございます。
着物を残すことの意味なんて、もともとなくてもいいんでしょうけれども。
私自身が、そういう目的をもって始めてしまったので「次の世代」の存在そのものが脅かされている今、何にもなかったかのように「着物着ましょう、いいもの残しましょう」と言うことがあまりにも空しいことのように思えるのです。
しかし大そうなことを言いつつ、することはこれまでとなんら変わりはないのだろうと思います。
はい、初の単独展示会です。遠方かもしれませんが、目白は歩くといろいろ楽しい街でもあるので、よかったらぜひ!
今年もよろしくお願いします。
Posted by 小梅店主 at 2012年01月05日 00:24
日本全体の意識が、「表立って自分の主義主張を論じる、良い意味での西洋式成熟社会」へ変わっていくのは、今ですねきっと。これからもブログ読者として小梅さんの思いを読ませていただきます。目白の展示会も楽しみだワ。
Posted by なり at 2012年01月10日 12:33
なりさん
コメントありがとうございます。
着物のため、日本の未来のため、と言いつつ、結局はそうしないと気が済まない自分のためなのではないか、と突っ込みを入れる自分との葛藤の日々です。
いろんな意見があって、どんな意見も尊重されるべきだと思うのですが、その中にも正誤や善悪はあるのではないか、とも思うのです。
立ち止まってばかりですが、牛歩でもいいから一歩一歩と思っています。またご意見もお聞かせくださいませ。
どうぞよろしくお願いします。
コメントありがとうございます。
着物のため、日本の未来のため、と言いつつ、結局はそうしないと気が済まない自分のためなのではないか、と突っ込みを入れる自分との葛藤の日々です。
いろんな意見があって、どんな意見も尊重されるべきだと思うのですが、その中にも正誤や善悪はあるのではないか、とも思うのです。
立ち止まってばかりですが、牛歩でもいいから一歩一歩と思っています。またご意見もお聞かせくださいませ。
どうぞよろしくお願いします。
Posted by 小梅店主 at 2012年01月14日 19:23