2015年06月13日

兵児帯を上手に結ぶには

梅雨入りしてしまいました。またしてもご無沙汰してすみません。

ショップでは、今年は新しくプリント柄の麻100%の着物を作りました。
3色あります。お花がギッシリ連なった、バティック柄です。18000円+税、木綿並みのお値段です。

(ちなみに、モデルさんは小梅がいつも糸でお世話になっている熊沢糸店の看板娘。日頃からオシャレなので、いつかモデルに…と企んでいたのです。熊沢糸店は、三島大社の前を東西に横切る通り沿いの商店街に古くからある老舗の手芸屋さんですよ。いつから立ってるの!というような古~い店構えがいい感じ。編み物教室も相当歴史があるらしいです。お隣の紙屋さんも、これまた好きな人は大好きだと思う。だって紙屋さんですよ?お向いの金物屋さん(荒物?)もワンダーランド。三島大社まで来たら、ぜひあの商店街をぶらぶらしてみてください!)

さて





ラミー麻ですので、つるっとシャッキリ、夏着物らしい涼感があります。
肌触りは、木綿のような柔らかさではないですよ。ザリッとした肌当たりといいましょうか。ただ麻はそのシャッキリ感ゆえに、肌にべたべたつきませんので、あまり気にならないのかなと思います。袖口や身八つ口からスカスカ風が通る感じは麻ならでは。
お手入れは手洗いかネット使用弱水流で。干す時にしわを伸ばして形を整えれば、アイロンなしでも大丈夫そうですよ。汗かいたらどんどん洗えますね!

このバティック柄のせいなのか、ラオス産の手紬手織り大人の兵児帯がどれもこれもよく合います。






ちなみに兵児帯をどうやって結んだらいいかわからないというお声を時々聞きますが、おすすめなのはお太鼓系か、文庫系です。

お太鼓だったらビシッと二重太鼓もできますが、こんなふうに垂れる感じがおすすめ。帯はローズ×カラシシャンブレーを使いました。



文庫系は、リボンが背中にモリッとならずに、だら~っとしてしまうというお悩みもお聞きするのですが、これは手の部分を長めにとっておいて(写真参照)、これをくりくりと巻きあげて、結び目の下にぐいっと突っ込んであげると、枕の代わりになってしっかり上向きます。もちろん、帯は長さいっぱい帯結びに使って、ハンドタオルか何かを別途差し込んでもいいんですよ。


このくらいとっておきます。
突っ込む前
横から見ると、まだこんなに垂れてます。
突っ込んだ後。もりっとあがります。
はい、突っ込みました。もりっとあがります。
あがってます。
真後ろから見るとこのくらい。
また結び目に帯締めを通して、背中にギュッとつける方法もあります。

腰かけたりして、リボンが潰れてしまうこともあると思いますが、そういうときはチョイチョイと後ろ手で下から上にはたきあげるようにして空気を入れればまたある程度は戻ります。

さて、小梅の麻のラインナップ、このプリントが18000円+税、従来の新之助上布がプライスダウンで40000円+税、どちらも同じラミー麻なのに倍以上のお値段。何が違うのでしょうか。
一言で言うと、何もかも違います。まず糸から違うということが、これは触ればわかります。また打ち込みのしっかり具合も違いますし、おそらく同じ頻度で着れば寿命が全然違うはずです。同じなのは、縫製だけですね。どちらも小梅自慢の縫い子が1着1着縫いました。麻は手でかがっている部分が多いので、手間ひまも十分かかっています。
生地サンプルは無料でお送りしておりますので、違いを確かめられたい方はメールでご希望の生地とお送り先住所をお知らせください。

※先日、新之助上布の糸はこんにゃくの糊がかかっている、とご案内しましたが、でんぷん糊の誤りでした。ごめんなさい。

ちなみに、新之助上布は近江上布ですが、同じ近江上布でも「んっ?」というくらいお値段の安いものを見ることがあります。これは、外国で生まれ育ったお肉でも、日本で加工さえすれば「国産」と表示されるのと同じあれだそうですよ。新之助上布は、大西師匠が彦根の工場でガッシャンガッシャン、繊細で気が遠くなるような作業を繰り返して織り上がりますのでね。念の入れようも違うというものです。

当然ですが、お値段には理由がありますね。



facebookページでほかの画像もいくつか載せています。よかったらそちらもご覧くださーい!


小さいですが生地サンプルは無料でお送りしております。ご希望の方は

こちら

から、生地をご希望の商品名とお送り先のご住所をおしらせください。



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Posted by 小梅店主 at 13:14Comments(0)着方

2008年07月23日

兵児帯の結び方

盛況のうちにセールを終えまして、小梅のショップはただいま秋冬物の準備でメンテナンス中となっております。ご迷惑をおかけしますが今しばらくお待ちくださいませ。

さて4回にわたり、浴衣と半幅帯の着付けをご紹介してきましたが(男性の皆様、女性の着付けだけでごめんなさい)、兵児帯の結び方はどうなの、というご意見をいくつか頂きましたので、今度は兵児帯の結び方をご紹介します。

……といっても、ほとんど同じなんですよ!!半幅帯と!!勘どころ3を参考にしていただければいいんです。
ただ、兵児帯ですと仕上がった雰囲気が半幅とはずいぶん違いますので、その画像をご覧ください。


これは、素材は正絹で、先の部分にだけ絞りが施された典型的な兵児帯です。勘どころ4で紹介したように、羽を作って(山ひだは取りません)“手”で巻き、上に引き抜いたら、胴の中を通して下に出すのではなく、今まさに巻いた結び目のところに通してあります。つまり、羽を手でひと結びしたことになります。



















さて、これは??
実は、フツ~~~に蝶結びしたものです。前で結んで後ろに回す場合は、帯の真ん中をお腹に当てて、背中で持ちかえて前に戻し、あとは靴紐を結ぶのと同じように蝶結びです。それでも何とかなるのが兵児帯のいいところ!!
“わ”の部分を少なく取って、残った“たれ”を、結び目の裏にくぐらせて、上から垂らすようにしてもかわいいです。

















これは、小梅のふわふわインド綿兵児帯です。木綿だとずいぶん表情がかわりますね。
これが上で申し上げましたように、たれを結び目の裏から上に垂らしたものです。半幅帯でこのように垂らしてもまたいい感じです。













いかがでしょうか?兵児帯はどうしてもタラッと垂れるので、結び目が胴に巻いた分の上の方に乗るようにすることがポイントです。
胴に巻く時に、“手”(短く取る方)の下に“たれ”(長い方)をくぐらせて巻くのを忘れないことと、ひと結びするときは短い方が長い方の上にくるようにクロスして重ねて結ぶと(勘どころ3参照)、自然に結び目は上に乗ります。そこのところを気をつけると、きっとキュートに結べると思いますよ!


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タグ :兵児帯浴衣


Posted by 小梅店主 at 22:20Comments(2)着方

2008年07月20日

浴衣 着付けの勘どころ4

icon12サマーセール開催中 最終日お見逃しなく!!icon12

今日もいいお天気ですね~。いかがおすごしでしょうか?
外へ出ると、何か身の危険を感じてしまうほどの日差しです!!お出かけには水筒や扇子をお持ちになった方がいいかもしれませんね。
そうそう、水筒といえば、このeしずおかブログを見ていてとっても気になっているものがあります。それは静岡茶商工業共同組合さんが東京を拠点に国内外で活躍するデザイン集団nendo(ねんど)さんの協力を元に共同開発したという、茶漉し付の水筒、「ティーポットボトル」です。画像はこちら
みなさんもうご存じだったかもしれませんね。
保温機能はないそうですが、私は水出しを持ち歩きたいのでかなり気になってます!!きっと買ってしまいそうな予感!!

さてさて、それでは浴衣着付けの続きです。


羽を作ります。短い方(“手”といいます)は肩の方に預けておいて、長い方(“たれ”といいます)を50センチくらいにたたみます。たれ先が外に出るようにたたんでもいいし(そうすると裏が上に出ます)、中に入るように(くるむように)たたんでもいいです。画像は中に入るようにたたんでいます。何が違うかというと、外に出るようにたたむと、出来上がった時に羽が1枚増えるので、それはそれでかわいいですが、裏が出るので帯の柄によっては中にたたんで表地を見せるようにした方がいい場合もあるかと思います。
矢印のところに一番下から手を差し込んで山を持ち上げ、もう一方の手でその山を上から押えて、ひだの真ん中になる山をピッチリ折ります。ここが帯の勘どころです。


山を作ったら、両サイドの端を折りあげて、谷を作ります。そうすると、画像の矢印のようなひだが取れるかと思います。
最初に下から手を差し込んで山を作るとき、結び目でクシャッとなっている部分もしっかり取りこんで山の中に折りいれてください。そうしないとひだがブカブカして、きれいな文庫になりません。






肩に預けてあった“手”をまっすぐにおろします。













ひだにぐるっとひと巻きして、胴に巻いている帯と、ひだとの間に“手”をくぐらせて上にしっかり引き抜きます。












今度は、胴に巻いている帯と、浴衣との間に“手”を差し入れて、帯の下に引き抜きます。これで羽がしっかり固定されました。











下に出た部分を、クリクリと折りたたんで帯の中にしまいます。そして、おなかをスゥ~っと引っ込めて、左から右へ帯を回しましょう。右から左へ回すと、浴衣の胸元が崩れますので、必ず左から右です。












完成です。矢印の部分をきりっと立てるようにすると、典型的な文庫結びになります。このほかにも羽をもっと短くたたんで背中に貼りつけるようにしたり、中にたたまれている分を外に引っ張り出したり、手の部分を最初に長く取っておいてもう一枚の羽として使ったり、要するに「羽を“手”で巻いて固定する」というところさえ押さえれば、あとはいろいろとアレンジできます。ひだをきっちり取ること、結び目をキリッと小さくすることも、美しい仕上がりのコツです。

結び目の下の部分、少しブカブカしているのがわかりますでしょうか。ここにハンドタオルなどを詰めておくと、ピチッとして羽もより安定します。今回は補正はなしでやっているので、ちょっぴりブカブカしてしまいました。立体的な体に、平面的な帯を巻きつけるわけですから、ブカブカしたりクシャッとしたりするのは仕方ないことですね。私自身は、浴衣の時は補正は入れませんが、汗取りも兼ねて補正される方もかなりいらっしゃいますし、お好みです。ただ一つ、浴衣や帯で、汗で湿ると色が出るものがあるので、色移りしたら困る場合はタオルを巻いておいた方がいいかと思います。



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Posted by 小梅店主 at 14:24Comments(0)着方

2008年07月20日

浴衣 着付けの勘どころ3

icon12サマーセール開催中 最終日!!icon12

梅雨明けです!! 
夏休みに入った学校も多いのでしょうか?私の住んでいるあたりは2期制が多く、もう1週間ありますが、こう暑いと授業も大変でしょうね!

さて、浴衣の着付け第3弾です。いよいよ帯結びなんですが、結び方はあまりにもいろいろあります。何にしようかな…と思ったのですが、結局「文庫結び」にしました。これをベースに、またいろいろアレンジも楽しめますし、やはり最初はこれかなと。

ではさっそくいってみましょう!






半幅帯を背中に当てて、短い方を半分に折り、その腕はいっぱいに伸ばしましょう。そして、長い方を、短い方の下を通りながらひと巻きします。













ひと巻きしたら、ここでキュッと左右に引き、軽く締めておきます。ギュウ~ッと締めると、苦しくなりますので、キュッとでいいですよ!
















今度は長い方も幅を半分に細く織り、このように短い方を長い方の上にクロスさせてください。













そしてひと結び。結んだら、矢印の方向にギュッと引いてください。ここはわりとしっかり力を入れていいところです。














右と左を持ちかえて先ほどとは逆にぐっとよじります。こうすることで、先ほど結んだものがズルッとほどけなくなります。
さて、今一度確認ですが、ここまでずっと、短い方が上にきています。













そして次回に続きます…。

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Posted by 小梅店主 at 09:00Comments(0)着方

2008年07月19日

浴衣 着付けの勘どころ2

icon12サマーセール開催中 あと2日icon12

昨日の続き、浴衣の着付けです。腰紐を結んだところで終わったんでしたね。


きちっとタイトに巻きつけた下半身に対し、上半身は現在ダボダボです。腰紐の中にごちゃごちゃと生地を巻き込んでいたりするので、図のように脇(身八つ口)から手を入れて、下方向、横方向に手を動かして、しわを出し、すっきりさせましょう。後ろだけでなく、前も同じようにしてください。









衣紋(えもん)を抜きます。矢印の部分です。着物の場合はこぶし一つ分、などといい、浴衣はそれより少なく抜くことになっていますが、お好みでいいと思います。背縫い(背中心の縫い目)をつまんで下に引き、調節してください。








襟合わせです。赤い部分、のどのくぼみを頂点として、襟の重なっている部分が正三角形になる合わせ方が標準です。頂点がずっと下になったり、重なっている部分が細い2等辺三角形になると老けて見えます。いろいろ試して、自分に似合う合わせ方を探してくださいね!このとき、先ほど抜いた衣紋が戻ってこないように後ろも鏡で確認しながら合わせるといいですよ!
左手は写っていませんが、身八つ口から右前をつまんでいます。左右対称になるようにバランスよく引くようにしてください。







襟合わせが決まったら、上に出ている右手で押さえながら、左手を駆使して胸紐をかけます。ここで伊達締めを使ってもいいのですが、幅広の分だけ暑いですし、半幅帯を使うとき、伊達締めだと下から覗いて見えやすいので、紐でいいと思います。
紐を前で結んだら、背中のしわを取りましょう。まず背縫いを下に引き、そのあと指をひもの下に差し入れて、脇に向かってしごくように動かして、しわは全部脇に寄せます。おはしょり(紐の下に出ている部分)も全体に下に引いてすっきりさせておきます。





これは右脇の画像です。脇に寄せたしわは、このように前見頃でかぶせるようにして、脇縫いのところでタックにして織り込んでしまいます。こうすると背中も脇もすっきりしますね。左側も同じようにしてください。





これで浴衣は完成です。
次回は帯結びです。


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タグ :浴衣着付け


Posted by 小梅店主 at 09:00Comments(0)着方

2008年07月18日

浴衣 着付けの勘どころ1

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今年は浴衣の扱いはない小梅ですが…
浴衣を着たい!という声を多数お聞きしますので、ちょっと気をつけると断然ビシッときまる、着付けのいくつかのポイントを紹介したいと思います。

腰回りにタオルを巻いたりして補正をするとなおビシッと決まるのですが、今回は補正は省きました。浴衣の季節はなにしろ暑いということと、浴衣なので、多少腰回りのくびれがあってもいいかなと。
それに、着付けがちゃんとできていれば、補正がなくても浴衣はそうそう着くずれません!木綿ですからね。
というわけで、必要なものは、浴衣、帯、腰紐2本だけです。

モデルは店主のきもの友達、AMさんにお願いしました!ご協力ありがとうございます!


まず裾丈。
鏡を見ながら、襟先を持って前に引き、ちょうど良い丈に裾を決めます。ゆかたなので、くるぶしくらいがいいですね!
















次に、上前幅を決めます。上前は、左手で持っている側です。鏡で見ながら、腿の一番太いところに上前の端がかかるように幅を取ります。このとき、先ほど決めた裾丈があがったり下がったりしないように、右手はしっかり外に引きながら、お尻に生地がついている状態をキープします。












さて、さきほど決めた上前幅、その状態でお尻から生地が離れないよう、ずれないように保ってくださいね。保ちつつ、左手はそっと開いて、今度は右手で持っている下前を体に巻きつけます。開いた左手は上へ上がらないように、水平に開き、右手は左腰まで持ってきたらそこでググッと15センチくらい、思い切って持ち上げてください。このとき、右側の裾(○の部分)は上がらないように注意してください。あくまで、右手で握っている、その襟先の側だけを持ち上げます。
ここが最初の勘どころです。ここで下前をしっかりあげておくと、裾つぼまりのキリッとしたシルエットになります。あげておかないとどうなるかといいますと、裾広がりの台形のようなシルエットになってしまうことと、歩いているうちに足にひっかかって、ますます下前が下がって着くずれのもとにもなります。なので、思い切ってあげちゃってくださいicon14icon14



右手は腰のところで押さえたまま、先ほどそっと開いておいた上前を、前で水平に重ねます。こちらの裾は、5センチ程度、気持ちだけ持ち上げておく程度でいいでしょう。絹の染めのきものの時はもうちょっと上げますけどね。浴衣なので。
重ねたら、左のひじで、右手で持って押さえている下前を押さえて、右手は抜いてください。つまり、左手の手先、腕、ひじ全体をつかって、今まで体に巻きつけてきた下前と上前を全部押さえる感じです。









そうしたら、押さえている左手の手先と、あいた右手とを駆使して、腰紐を結びます。結んだら、余った紐はベロンと垂れてこないように、結んである紐にねじってかけたり、押し込んだりしておきましょう。要するに、あとで帯を結んだ時に中でゴロゴロしたり、帯の下から腰紐が見えてきたりしなければいいんです。

これで下半身が終わりました。








さて、長くなったので続きはまた次回といたします。

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タグ :浴衣着付け


Posted by 小梅店主 at 09:00Comments(0)着方

2008年07月09日

2部式帯とはなんぞや?


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このブログを読んでくださる方がきもののことをご存じとは限らない、ということにふと気づき……
今日は2部式帯についてちょっぴり。ご存知の方には、ごめんなさい、読み流してくださいませね。

きものには帯をしめるわけですが、浴衣だと、背中にはリボンのような蝶のような形に結んであることが多いですね。
また成人式の振袖の背中には、何とも形容しがたい、フリフリだったりブリブリだったり、それぞれに「ナニナニ結び」と名前があるんですが、まあ四角とか三角とかいいにくい形の帯結びになっていることがほとんどです。
そのような、どうやったらそんな形になるんだろ~~~!という形の帯結びでも、ちゃんと幅約30㎝、長さおよそ4メートル前後の1本の帯で結んであるんですから、もはやアートです。

で、もひとつよく見るきものの後姿、四角い帯結びがありますね。外国人が見ると「背中に何をしょってるんだ?」と不思議なんだそうですが、あれを「お太鼓結び」といいまして、帯結びの中では一番ベーシックな形といってもいいと思います。このお太鼓結びも、1本の帯で結ぶには、最初に幅を半分にした胴の部分を2巻き、そこで1回しばるか、ねじるか、紐でおさえるかして、そこからは帯の幅を広げて、帯枕で帯を背中につけ、あの太鼓の形に折りあげて、帯揚げや帯締めをつけて…とだいたいそんな工程で結びます。
着つけを教えていて、どの生徒さんも一番四苦八苦するのがこの帯結びです。慣れたらどうということもないのですが、せっかく覚えて帰っても翌週にはすっかりface08忘れていたり、ようやく身についてもしばらく着ないうちに忘れてしまったりface04、ということがよくあります。ほかにも、背中に手が上がらないとか、どうやってもうまくできないとか「もう!この帯結びさえ簡単にできたらいいのに!!」という叫びは結構聞くのです。

ということで考え出されたのがこの2部式帯なんですね。私が考えたわけじゃありませんよ、昔からありました。着つけてしまうと1本につながっているかどうかは分からなくなってしまうので、意外と愛用者は多いと思います。胴に巻く部分と、背中につける部分に分かれているので2部式。付け帯、軽装帯、作り帯、文化帯などなど、呼び名はいろいろです。

小梅の2部式は、胴の部分はマジックテープでつけるようにしてあります。これをぐるぐるっと巻いて、ベリッとやっておきます。


背中につける部分は、もうこういう形にできています。


これが背中につける部分の後ろ側です。フックがついていて、これを胴に巻いた部分に引っかけます。


で、あとは帯枕で固定し、帯揚げをかけて、帯締めを結べば完成です。このへんの図解がこちらにあります。

あっけないくらい簡単です。
2部式なんて邪道、という声もありますが、最初に完成形がわかっているということは、意外と大事なことだと私は思っています。こういう形になればいい、という到達点が見えていると、次に2部式ではない、長い帯にステップアップしたときにも、どのへんが不格好なのか、わかりますから。
きものも同じです。小梅はきものも2部式ですが、スカート部分は自動的に下前が上がるような形になっており、かなり完成された着姿を簡単につくることができます。そうすると、いずれ上下につながったきものを着るときに、下前を上げないと格好良く着られないということがすぐわかるはずです。

2部式は着付けのハードルを下げる、優れた工夫です。

少し話がそれましたが、ご自分で結べる方でも旅行のときには2部式を持っていく、という話もよくうかがいます。そうそう私も母の友人に「海外旅行できものを着たいので2部式に直して」と頼まれて、長い帯を切って2部式にしてさし上げたことがあります。高価な帯にはさみを入れるのはためらわれるものですが、その方は「いいの、持ってて締めないより、切って締める機会がある方がいいから」とおっしゃって。
それに、2部式ほど簡単ではありませんが、切らずに仮縫いでお太鼓を形作って、ぱっと背中につけられる方法もあるようなので、帯結びできものから遠ざかっている方は、お試しになってはいかがでしょうか。たんすに眠っているだけでは、もったいないですから!!

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Posted by 小梅店主 at 21:00Comments(0)着方

2008年07月01日

小梅の半じゅばん

7月になりました!!
梅雨明けはまだまだですが、7月、と聞いたら気分は夏ですよね!スイカ、花火、そうめん、海、かき氷、お祭り、浴衣……。
あ~早く梅雨が明けないかな!

さて今日は小梅の半じゅばんについて少々。

きものをお召しになる方はご存知と思いますが、着物の下には半襟のついたじゅばんを着ます。着付け教室などで教えてもらう場合は、おそらく肩から足首まである「長じゅばん」を使うことが多いのではないでしょうか。そして、素材も絹で、汚れたら襟だけを付け替える(ちくちく縫いつけます)というのが正統派です。この長じゅばんの下には、さらに綿など洗える素材の肌じゅばんと、裾除けという巻きスカート状の下着をつけます。つまり、教科書通りに絹のきもの、絹のじゅばんを着るときは、ザブザブ洗えるのは肌じゅばん、裾除け、襟、足袋だけなんですね。

この時点で、きものって普段着から脱落する気がするんですけど、どうでしょうか。
そもそもこの時代にきものを普段着にしたいかどうか、という問題もありますよね。それはまた時を改めるとして…。

半じゅばんは、丈は腰までで、身頃の部分は綿のものがほとんどで、袖が縫い付けてあるか、付け袖をつけて使うようになっています。市販品のほとんどは、袖のついた半じゅばんに、袖と共布の裾除けがセットになっていて、これで「肌じゅばん+裾除け+長襦袢」の代わりになるので、正統派よりはずいぶん簡易です。つけ袖と裾よけを、絹のきものやじゅばんの生地から手作りする方もいらっしゃいますが、市販品は洗える素材が普通です。
長じゅばんに比べると、上下に分かれているために下半身の動きが上半身にひびかず、着くずれしにくいメリットもあります。また、付け袖をつけるタイプだと、裄丈(首から手首までの長さ。着物とじゅばんとでこの長さをぴったり合わせるのがよいとされています)を調節できるので、着物に合わせた寸法にしやすいですね。
デメリットとしては、袖や裾除けの素材が化繊だと、静電気でまとわりついて、着心地が劣ります。

小梅は、フォーマルではない、普段着きもののお店ですので、じゅばんも洋服の普段着同様に扱える物しか作っていません。
また、「はじめてきもの」の名に恥じないよう、着付け初心者が苦労するいくつかの問題も解消できる作りになっています。


一番の特徴は、脇が縫ってありません。全開です。こうすると、衣紋(えもん→首のうしろの部分)をしっかり抜くことができて、しかも一度抜いたら着付けの最中や着ているうちに戻ってきてしまうことがありません。きれいに衣紋を抜くためには、下に引っ張れるように補助布をつけたり、慣れるまで何かと工夫が必要でしたが、これは最初に後ろ身頃を引っ張っておけば、あとは前の襟合わせのことだけ考えればいいのです。












それから、後ろ身頃にこのような帯状の布が縫い付けてありますが、口があいていて補正を入れ込むことができます。体格の良い方でも、腰の補正だけは入れた方が帯がぴちっと乗りますからね!

















そしてこの帯状の布を、前で軽く打ち合わせます。ガーゼ素材なので、結ばなくても軽く重ねるだけでくっつきます。このようにして後ろ身頃を体に沿わせておくことで、着た時に脇から素肌が出ないようになります。















これが着上がった横姿です。後ろは通常の半じゅばんより長く、お尻まで隠れるようにしています。こうすると、帯をしめた後でも裾を引っ張って衣紋を直すこともできますしね!

素材は綿のガーゼで吸湿性は抜群、紐がついているのでネットに入れて洗濯機で洗ってください。襟には水を通して縮めた三河芯が入っています。襟はそのままでガーゼの柔らかい肌触りをお楽しみいただいてもいいですし、半襟をつけて、しっかりしたプラスチックの芯を差し込まれてもいいかと思います。
この時期ですので、夏きもののじゅばんとして、また紅梅や綿麻などの浴衣にこの半じゅばんをお使いになると、ワンランクアップの着こなしですね。小梅ではカラーはブルーピンクイエロー生成りの5色をご用意しています。



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Posted by 小梅店主 at 12:00Comments(0)着方