2009年02月01日

“いき”について考える

久々の快晴で、洗濯ものもお布団もカラッと乾きましたicon01
やっぱりお天気は気持ちがいいですね。

さて、最近対訳 「いき」の構造という本を読んでいます。

たまたま図書館の新刊のコーナーに置いてあったので手に取ったのですが……。
とんでもない本でした!!
著者は1941年にこの世を去っている九鬼周蔵という哲学者で、オリジナルの初版は1930年。私が手に取ったのは英語の対訳がついているもので、こちらは昨年出たばかりです。調べてみると、『「いき」の構造』というこの本は、長年読み継がれてきた名著だったんですね。ご存知の方も多いかもしれません。

なんでこの本を手に取ったかというとですね、“いき”という言葉に、ひっかかっていたからなんです。もう何年も前の話なんですが、「振袖のすそにふきをつけていて、“いき”だった」という話を聞いたことがありました。ふき、というのは、打ち掛けなどのように、裾にお布団みたいに綿を入れる始末のことなんですが、ふきって“いき”かなぁ??とその時ものすごく疑問に思ったんです。

私なりの“いき”の解釈は、あっさりして、潔くて、かつ艶があって、かっこいい感じ、といったものだったので、豪華でヒラヒラした礼装(=振袖)、というだけでも“いき”じゃないのに、さらにふきまでつけて、それを“いき”って言うかなぁ???と。

だからこのタイトルを目にしたとき、これを読めば、その疑問がはっきりするんじゃないかと。その程度の期待で借りて帰ってきたわけなんですが。

読んでみるとまあ!とんでもないですよこの本は!!構造、というだけあって、“いき”という言葉を外から、中から、立体的に検証しています。ちょっと私には難しい内容なので、サラサラ読むだけでは今ひとつよくわからないのですが、じっくり1文1文かみしめて読むと、「ほうほう、ほうほうほうほうほう!!!!」という感じで、頭の中でばらばらのパズルが一気に組み上がるような、ぷよぷよがだんだん上の方まで積み上がったところで一気にザーっと消えるような(って私はできないんですけど)、そういう快感があります。

いや~~~……。感服しました。この九鬼周蔵さんという方、男爵家のおぼっちゃまだそうですが。
果てしない頭のよさというのでしょうか、“いき”という言葉、その意味、あり方、そういったものを、まるでまったく濁って底の見えない水の中から、ホイッっとすくい出して目の前に出して見せた、その知性に参りました。
こんなふうに物事が見えると、世の中の見え方も違うんでしょうね。しかもそれを、一般人にもわかるように文章で表現できるわけですから。どれだけスマートなんでしょうか!!

そして私の疑問だった“いき”ってどういう意味?という疑問に対しては、本のかなり前の方で「垢抜して(諦)、張のある(意気地)、色っぽさ(媚態)」というふうに定義されています。
そのあとも、“いき”と上品、派手、渋み、その反対にある野暮、下品、地味、甘味との関係を平面と立体で表し、さらに自然の中の“いき”、芸術の中の“いき”を分析した後、結論に続いています。

さらに1979年には『『「いき」の構造』を読む』という、2人の思想家が『「いき」の構造』について対話形式で語り合った本が出版されていて、私は思わずこちらも購入してしまいました。『「いき」の構造』を読み終えたら、こちらも早く読んでみたいです。

ま、それがどうした、という話なんですが…。



にほんブログ村 着物・和装←もしよろしければポチっとお願いします!




同じカテゴリー(つぶやき)の記事画像
15周年ありがとうございます
Love&Kimono vol.12ご報告と、来年からのラブきも
エステと着物のコラボイベント。美へのこだわりにひれ伏す1日
Love&Kimonoご報告と、3月ですが新年の抱負
シルックについていろいろ考えてみた
ありがとうございました!LOVE&KIMONOご報告
同じカテゴリー(つぶやき)の記事
 15周年ありがとうございます (2023-05-17 01:18)
 Love&Kimono vol.12ご報告と、来年からのラブきも (2023-03-18 14:45)
 エステと着物のコラボイベント。美へのこだわりにひれ伏す1日 (2022-06-21 13:13)
 Love&Kimonoご報告と、3月ですが新年の抱負 (2022-03-16 15:21)
 シルックについていろいろ考えてみた (2022-03-07 15:26)
 ありがとうございました!LOVE&KIMONOご報告 (2021-03-17 11:31)

Posted by 小梅店主 at 22:09│Comments(0)つぶやき
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
“いき”について考える
    コメント(0)